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構造設計からの「コンクリートのはなし」#2

構造設計の目線からお届けする「コンクリートのはなし」、第2回はコンクリートのワーカビリティに関するお話です。
「コンクリートのはなし」#1はこちら

私たちは構造設計を行い、その建築物に必要なコンクリート強度を定め「一定の強度を確保してください」として図面に記載します。それが設計基準強度です。言い換えれば、一定の強度が出るものとして、構造上の安全性を確認しています。

現場到着時のコンクリートは半製品

生コン工場で製造された”レディミクストコンクリート”は、現場に納入されるときにはまだ固まらない状態(フレッシュコンクリート)であり、強度はありません。いわば“半製品”。形を作り硬化させ強度を確保するのは、現場での打設や養生などコンクリート工事に関わる方々に委ねることとなります。

設計通りのコンクリート断面を確保するには、型枠内に隙間無く充填し、均しなどの仕上げを行い、適切な速度で凝結・硬化させ必要な強度を確保する必要があります。
レディミクストコンクリートは半製品ゆえ、強度などの硬化後の性能のほかに、現場での施工性に関わる性能も要求されます。それがワーカビリティー。

ワーカビリティーとは

ワーカビリティーとは、材料分離を生ずることなく、運搬、打ち込み、締め固め、仕上げ等の作業が容易にできる程度を表すフレッシュコンクリートの性質です。構造物の種類や施工箇所・方法によって評価が異なるため「良い」「悪い」などで表され、調合条件、使用材料の種類・品質、練り混ぜ時間などが影響します。

ワーカビリティーには以下のような性状があり、バランスよく確保することが必要です。

  • コンシステンシー = 変形・流動に対する抵抗性の程度
  • プラスティシティー = 材料分離することなく打ち込むことができる変形の容易さ
  • ポンパビリティー = ポンプ圧送の可能ないし容易さ
  • フィニッシャビリティー = コテ仕上げの容易さ

スランプ試験

レディミクスコンクリートの受入検査のうち、現場にて試験する項目として、以下の4つがあります。

 試験項目 判定基準
● スランプ試験 指定値 ±2.5cm(8以上18以下の場合)
● 空気量試験 4.5% ±1.5%
● 塩化物試験 0.3kg/m3 以下
● 温度 35℃以下(暑中コンクリートの場合)
10〜20℃(寒中コンクリートの場合)

そのうち、ワーカビリティーを判定する要素で最も身近なものが、スランプ試験です。
スランプ試験はコンシステンシーを数値的に表すことができます。

スランプに影響を及ぼす代表的な要因として、以下のようなものがあるそうです。

  • 水量 水量1.2%増減→スランプは1cm増減
  • 空気量 空気量1%増減→スランプは2.5cm増減
  • 粗骨材 粒形が良いとスランプは増加
  • 細骨材 細骨材の割合が多い、粒子が細かい程、スランプは低下
  • 温度 コンクリート温度が10℃上昇→スランプは2~3cm低下

ひとつとして同じ条件の打設がないけれど・・・
建物形状も季節も天候も。時にはコンクリート充填に手こずったり、アジテーターが遅れたり。
それでも一定の品質を確保し、さらに品質を向上するために
私たちデザインセンターは、設計も現場も日々あれこれ考えています。

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