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構造設計ジャーナル

構造設計を仕事とする人の資格の話

デザインセンターには、構造設計部という部署があり、現在4名が建築構造関連の業務についています。
建築家(意匠設計者)との関係で言うと、彼らが考えた建物を建てようとしたとき、施工不可能だったり、地震や台風にも壊れたりすることない建物として建築を実現させるのが構造設計の仕事です。鉄筋コンクリート造の建築を行う場合、小規模な平屋以外は「構造計算」という工程が必要となります。ゼネコンを除くと、当社のように意匠設計部門と構造設計部門が一社の中に存在するのは意外と珍しいことで、意匠設計から構造設計までワンストップで業務を行うことを可能にしています。

構造設計者の仕事は、建物とそこを利用する人の安全に関わる重要な仕事です。それだけに責任も求められるため、資格取得には高いハードルがあります。今回はこの「構造設計」の資格に関するお話と、仕事としてのやりがいに関して書きたいと思います。

平成20 年に誕生した「構造設計1 級建築士」という資格

平成17 年に起きた耐震偽装事件。この事件を契機に、世間で建築物の安全性と構造設計に対しする信頼性を求める声が高まりました。

それを受けて平成20 年に「構造設計1 級建築士」という国家資格が創設されます。それまでは、「構造設計」という名の付かない「1 級建築士」という国家資格でできた「構造計算書」の作成が、ある一定規模以上の構造設計については、「構造設計1 級建築士」が自ら設計を行うか、もしくは法適合性の確認をすることが義務付けられたのです。

「構造設計1 級建築士」でなければ大型建築の構造設計はできない。

では、「構造設計1 級建築士」でなければ関与できない一定規模以上の建築物とは?一応下記の記載で、大まかなスケール感がつかめるでしょうか。

  • 高さが60mを超える建築物
  • 木造の建築物のうち、高さ13m 超又は軒高9m 超
  • 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物のうち高さ20m 超
  • 鉄骨造の建築物のうち4 階建て以上

などです。例えばマンションで考えると7 階建て以上のイメージになります。

 

「構造設計1 級建築士」はどうすればなれるの?

さて、この「構造設計1 級建築士」という資格を取得するにあたって、その難易度はどのくらいかご存知ですか?

受講資格

要件として「1 級建築士」という資格を持って5 年以上構造設計の業務に従事+講習(講義+終了考査)を修了することが必要です。その「1 級建築士」になること自体も難関です。受験まで最短の人でも建築系4 年制大学を卒業して2 年の実務経験が必要。で、合格率は10%前後です。

気になる「構造設計1 級建築士」の修了率は、平成29 年のデータでは27.2%でした。

まだまだ足りない構造設計の担い手。

「構造設計1 級建築士」の登録者は、実はまだ全国で1万人に達していません。ちなみに1 級建築士は36 万人です。(平成29 年度現在)

近年、社会的にも構造設計の重要性が説かれていますが、実際はこの分野で仕事をしようと考える若者自体が、意匠設計と比較して決して多いとはいえないのが実情です。

構造設計1 級建築士に聞く、「構造設計のやりがい」とは

最後に、デザインセンター構造設計部に所属する構造設計1級建築士に、この仕事のやりがいを聞きました。

「やはり建物が上棟したときの達成感でしょうか。コスト比較、工期の兼ね合いなども検討して構造を決めたり、工学的な知識や高度な数学を用いて図面を書いたりと、広範囲にその建築と関わって、最終的に実寸大のものづくりをできるというのは、構造設計の醍醐味です。建築を学ぶ若い人に、もっと構造設計を志す人が増えてくれると嬉しいですね」

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